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一括投資と分割投資【5つのシミュレーション】

分かれ道の写真(分割投と一括投資)

一括投資と分割投資と聞いても、それぞれの特徴がすぐにピンと来ないものです。

しかし、シミュレーションで見るとその特徴がよく分かります。

この記事では、それぞれのシミュレーションをチャート(折れ線グラフ)を用いて説明しています。

シミュレーションでは「配当利回り」は考慮せず「価格の変動による推移」を確認します。

シミュレーションを確認することで、それぞれの投資環境によって、あなたにしか見えないものがあると思います。

一括投資と分割投資(下落を続けるチャート)

1番目のチャートは、投資した銘柄の価格が下落を続けるチャートです。

投資資金は一括投資と分割投資ともに500万円です。

一括投資は2020年に500万円を投資して、1,000円で5,000口を購入した後、40年間ほったらかしにしています。

分割投資は2020年から、500万円の40分の1にあたる12万5千円を毎年の決まった投資金額として購入できるだけの口数を保有しています。

今回の分割投資では、毎年「同じ口数」を購入する方法ではなく「同じ金額」で購入する方法でご紹介しています。

この投資は「ドルコスト平均法」といわれる投資手法です。

ドルコスト平均法に関しては本記事の最後で紹介しています。

下落を続けるチャート図と分割投資と一括投資の比較結果表

その結果は、グラフ上部にある表のとおりです。

一括投資は、1,000円から250円まで75%下落した価格の影響を受けて、500万円から75%の損失となり、投資資金は125万円しか残りませんでした。

一方、分割投資は1,000円から徐々に安い価格帯でも買い下がる形で購入しつづけた結果、平均取得単価が下がりました。

投資金額は毎年12万5千円と決めていましたが、安い価格帯では多くの口数を購入できた結果、最後の保有口数は10,741口となり平均取得単価を下げる効果も得られています。

分割投資の投資結果は、500万円から46%の損失となり、約268万円になりました。

銘柄の価格が右肩下がりのチャートでは、一括投資と分割投資のいずれの方法でも損失になりましたが、分割投資の方は損失をある程度抑えることが出来ています。

一括投資と分割投資(上昇を続けるチャート)

上昇を続けるチャート図と分割投資と一括投資の比較結果表

2番目のチャートは、投資銘柄の価格が右肩上がりに上昇を続けるチャートです。

投資資金と購入方法は、一括投資と分割投資ともに先程のシミュレーションと同じです。

一括投資は、1,000円から3,600円まで260%上昇した価格の影響を受けて、500万円から260%の利益となり、投資資金は1,800万円になりました。

一方、分割投資は1,000円から徐々に高い価格帯で買い上がる形で購入しつづけた結果、平均取得単価が上がってしまいました。

また、毎年の決まった投資金額12万5千円では、高い価格帯で少ない口数しか購入することができませんでした。

平均取得単価をあまり上げずに済んだ効果を得られたものの保有口数は2,931口となりました。

分割投資の投資結果は、500万円の111%の利益となり、投資資金は約1,055万円になりました。

銘柄の価格が右肩上がりのチャートでは、一括投資と分割投資のいずれの方法でも利益になりましたが、一括投資の方が大きく利益を得られています。

一括投資と分割投資(横這いを続けるチャート)

横這いを続けるチャート図と分割投資と一括投資の比較結果表

3番目のチャートは、投資した銘柄の価格が横ばいを続けるチャートです。

一括投資は、1,000円から1,100円まで10%上昇した価格の影響を受けて、500万円から10%の利益となり、投資資金は550万円になりました。

一方、分割投資は1,000円から上下する価格の高いところでも安いところでも購入しつづけた結果、平均取得単価は約1,100円となり、毎年の決まった投資金額12万5千円で約5000口を保有することになりました。

分割投資の投資結果は、500万円の10%の利益となり、一括投資とほぼ同じ結果になりました。

銘柄の価格が横ばいのチャートでは、一括投資と分割投資のいずれの方法でも明確な差が出にくい結果となりました。

一括投資と分割投資(価格上昇から下落して戻るチャート)

価格上昇から下落するチャート図と分割投資と一括投資の比較結果表

4番目のチャートは、投資した銘柄の価格が上昇した後に下落して元の価格に戻るチャートです。

一括投資は、1,000円から価格が変わらず、投資資金は500万円のままでした。

一方、分割投資は1,000円より高い価格帯で購入しつづけた結果、平均取得単価は約1,406円となり、毎年の決まった投資金額12万5千円で3,864口を保有する結果になりました。

分割投資の投資結果は、投資資金500万円からの23%の損失となり、約380万円となりました。

価格が上昇してから下落するチャートでは、一括投資の方が良い結果となりました。

一方、分割投資は平均取得単価が上がったものの価格帯の高いところで保有した口数が少ないことで、ある程度の損失を抑えることができています。

一括投資と分割投資(価格低迷から回復するチャート)

価格下落低迷から上昇回復するチャート図と分割投資と一括投資の比較結果表

5番目のチャートは、投資した銘柄の価格が下落低迷後に一転して上昇するチャートです。

一括投資は、1,000円から最終的に800円まで20%下落した価格の影響を受けて、500万円から20%の損失となり、投資資金は400万円になりました。

一方、分割投資は1,000円から徐々に安い価格帯でも買い集める形で購入しつづけた結果、平均取得単価が下がりました。

投資金額は毎年12万5千円と決めていましたが、安い価格帯で口数を多く購入できた結果、最後の保有口数は15,793口となり平均取得単価を効果的に下げる効果も得られています。

分割投資の投資結果は、500万円の152%の利益となり、投資資金は約1,260万円になりました。

銘柄の価格が下落低迷後に一転上昇するチャートでは、平均取得単価を下げつつ口数を多く集めた結果、分割投資の方が大きく利益を得られています。

シミュレーション結果から見る一括投資の特徴

一括投資のメリットは、株価が上昇する局面で短期間に大きなリターンが見込ます。

一方のデメリットは、下落局面で大きな損失が発生しますので、分割投資に比べてリスクがあります。

また、多くの投資資金を一度に投入すると、下落局面で追加投資をする等の対処をとれない点でリスクが高まります。

一括投資について総括すると、一般的に価格変動のみの取引の場合のリスクは高いため、1回で投資で全てを投資資金を投入せず、損失が発生しても良い金額に抑えて、数回にタイミングを分けるのも方法の一つです。

なお、今回のシミュレーションでは配当利回りを除外していますが、配当があるケースで全ての配当を再投資しつづける場合は、最初の投資金額が多いほど、その効果も大きくなります。

例えば、500万円を投資した後、毎年の配当5%を再投資して複利運用を続けた場合の利息は10年後で約300万円、20年後で約800万円、30年後で1,650万円、40年後で3,000万円とない、およそ15年間で元本を上回ります。

この複利の効果に関する記事は、本記事の最後に紹介してます。

シミュレーション結果から見る分割投資の特徴

分割投資のメリットは、どのような価格の動きでもリスクをある程度抑えることが出来るローリスクな点と精神的に余裕をもっていられる点です。

具体的には、トレードでは「損をしてしまう。」「もっと利益を出したい。」「価格が上がったのを見て飛びついて買う。」等々、今起こっている状況に感情を支配されてしまい、感情のコントロールを失って失敗することが多いです。

今回、ドルコスト平均法を採用していることで、初めからリスクを抑えらえるということが分かっている点、長期期間のおよその出口を設定して把握できている点、機械的に毎年購入する点で「トレードプラン」と「規律」が自然に形作られているといえます。

加えて、株価が長らく低迷した後に上昇した場合では、大きな利益を見込める可能性もあります。

分割投資のデメリットは、一般的に少額投資を継続する点で複利の効果は得にくくなる点と、シミュレーションで確認したチャートの形状によっては損失になる場合がある点です。

なお、今回のシミュレーションではドルコスト平均法を採用していますが、分割投資の途中で投資資金を増減させることで価格の動きにも対処することも可能です。

まとめ

一括投資と分割投資をシミュレーションを見ることで、それぞれの特徴が見えてきたと思います。

一括投資と分割投資のどちらが良いのかという目線でも見てきましたが、投資をされる方の資金量やライフプラン(人生設計)等の環境が異なるため「答えはない。」という結論に至ってしましました。

一般的な事例を挙げてみると、投資期間を長くとれる若い人や投資を始めたばかりの方、安定収入が継続する強みのある会社員の方等は分割投資で長期的に運用する方法が良いかもしれません。

富裕層の方、定年退職されて投資期間を長くとる計画がない方等の場合は、一括投資で配当を複利運用をする方が良い場合もあると思います。

あるいは、分割投資を継続しながら一部の余裕資金で一括投資を行うという方法もあると思います。

今回の5つのシミュレーションの一括投資と分割投資の特徴を確認したことで、何らかのヒントや投資戦略を考えるきっかけになれば幸いです。

最後に、今回のシミュレーションとは逆に、価格変動の推移を考慮せず「配当利回り」のみで比較する「一括投資」と「分割投資」をシミュレーションした「複利の効果の記事」を次の記事で紹介しています。

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複利の30年の棒グラフ
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さらに、今回のシミュレーションのドルコスト平均法の他に、分割投資の投資金額の調整を行う「ピラミッディング」と「難平」を次の記事で紹介しています。

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この3つの記事を合わせて読むことで、投資計画を立てる際の参考になると思います。

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