【 目 次 】
トーセイ・リート投資法人(3451)の主な特徴
トーセイ・リート投資法人のポートフォリオの特徴は、投資対象の1割が「商業施設」で、後は「事務所」と「住宅が」半々くらいのリートです。
また、投資対象の物件所在地は「東京経済圏」の好立地に集約されています。
地方と異なり特に東京23区内の物件は築年数が経過しても物件価格が上昇するくらいですから条件は良いと思います。
ただ、2020年1月からの疫病の影響により「テレワーク」「地方移住」というオフィスや住宅需要のマイナス面もささやかれています。
しかしながら、筆者はこの動きが一斉に加速するとも思われず、所在地の分散されていない点をそれほど心配しておりません。
そんなわけで、2020年3月のリート市場全体が一斉に下落した機会に利回りの良い中からトーセイ・リート投資法人を保有しました。
投資主総会(第4回)の内容
リートの投資主総会に出席しようと思った理由は、リートの投資主総会に出席したことがなかったからです。
また、決算説明会資料の内容を聞くことで学ぶことも出来ると思っていました。
総会会場の時事通信ビル
総会会場は銀座駅からすぐの時事通信ビルの2階にでした。
エスカレーターを昇りきると、社員の方が三脚のような機材をこちらに向けておられました。
感染者を調べるためにサーモモニターで体温を見ていたのだと思います。
そこから受付があり、出席者の受付カードとペットボトルの水を受取った後は、会場内に入り着席しました。
事前にマスク着用の案内がありましたので、きっちりマスクも着用していました。
マスクを忘れた出席者にはマスクを提供するなど、感染症対策を徹底しておられました。
出席者は20名前後といったところでしょうか。
総会議事進行
定刻直前に執行役員はじめ関係者の方々が、奥の扉から所定の場所につかれました。
議事の内容は定例の役員の就任等以外は、投資主の方を向いた議案内容と感じました。
規約に記載のある「ホテル」を投資対象から削除
トーセイ・リート投資法人はホテルを投資対象にしていませんが、これまでの規約にはホテルも投資対象とする記載がありました。
ご存知のとおり感染症対策による緊急事態宣言発令時にホテルの稼働率が9割以上減少するという異常な事態になりました。
今後の投資対象としてリスクが大きいと判断されたのだと思います。
出席者の方からは、規約にホテルが投資対象と記載してあっても投資しなければ良いだけで削除する必要はないのではという質問がありました。
リートの内容をよく理解している方はそれでも良いと思います。
執行役員の方からの回答は、投資主の不安を払拭することとトーセイ・リート投資法人の特色を明確にする趣旨で削除を提案していますというような内容であったと思います。
この判断はこれで良いと個人的に思いました。
また、ホテルを投資対象にするようになったら追記すれば良いだけです。
みなし賛成制度の例外の追記
投信法により、議決権が行使されない無効票は「賛成」とみなされますが、その例外を追記するという内容がありました。
発行済投資口数の100分の1以上を6ヶ月以上保有する投資主が一定議案に反対した場合は、みなし賛成制度の適用を除外するという内容です。
総会決議時点の発行済投資口数の1%(100分の1)は3,406口となり、金額にして約3億4千万円以上の投資主が対象になります。
議案を読むと「昨年来から少数投資主から提案があり」という記載がありました。
その時期は、外資系のスターアジア不動産投資法人が「みなし賛成制度」を利用して、さくらリート投資法人を敵対的買収を仕掛けた頃です。
その事案が業界で話題になったことが関係しているのかもしれません。
少数投資主からの提案とありますが、1%以上の投資主というと金融機関等の機関投資家がほとんどです。
ホームページを確認すると、個人も1名含まれているですが、複数から提案があったのかもしれません。
運用状況報告会の中止について
通常は総会閉会後に運用状況報告会が開催されます。
この報告を聞く目的もあり、散歩ついでくらいの軽い気持ちで出席したわけですが、投資主総会招集ご通知をきちんと読んでいませんでした。
そして「運用状況報告会は中止します。」と議長から説明があった際は少し驚きました。
しかし、しばらく考えこんだ後「感染症対策として仕方ないか。」と思いなおしました。
トーセイ・リート投資法人からすると、投資主総会の会場でクラスター感染が発生することは、万が一にもあってはならないでしょう。
ただ、出席者からはやはり質問があり「運用状況報告会に興味があって出席したのに中止では意味がない。」というような趣旨でした。
その気持ちはおそらく出席者の多くが感じていたのではと思います。
しかし、投資主総会招集ご通知をよく読み返すと、あらかじめ運用状況報告会は中止するとの記載がありました。
議長の説明の際に「投資主総会招集ご通知の2ページ④に記載のとおり、運用状況報告会は中止させていただきます。」と一言あると、質問もなく納得されたかもしれません。
もともと投資主総会は総会議題に関係する質疑応答に限るの審議の場だと思います。
そのため、法律的には総会議題以外の運用状況報告会や運用に関する質疑応答は最初から存在しなくても良いはずです。
しかしながら、投資主としてはトーセイ・リート投資法人の運用に興味があるのも実情だと思います。
だからこそ、おそらく上場している全てのリート投資法人は総会閉会後に、運用状況報告会を行っているのでしょう。
個人的には、投資主総会招集ご通知の目立つ1ページ目の最下部に「お願い」欄でも設けて、運用状況報告会は中止と太字で記載されていれば尚よかったのではと思いました。
とはいえ、招集ご通知をきちんと読んでいない自分が良くないわけで、さっさと帰宅することにしました。
ちなみに、総会は10分から15分程度であっという間に閉会になりました。
なお、自宅に戻ってから他のリートの投資主総会の案内をざっくり調べてみました。
すると、トーセイ・リート投資法人以外でも運用状況報告会を中止しているところがありました。
止むを得ない措置というところでしょうか。
まとめ
はじめての投資主総会で運用報告会を聞けずに拍子抜けしたところもありました。
ただ、逆に自分で調べなおしたり、運用報告書を見返すきっかけにもなって良かったと思います。
投資主総会の議題内容や総会運営に関してもトーセイ・リート投資法人の判断に問題はなかったと思います。
なお、総会開催時点でESG等の格付は取得済みでしたが、財務格付は未取得でした。
この点は総会後の2021年2月24日にJCRの「A-(安定的)」を取得されています。