日経平均がバブル後の高値更新などと騒がれている中、バリュー株で狙える銘柄は減っていると思います。
わたしのバリュー株の利回りの目標は6%です。
カルタホールディングス(3688)はその基準に当てはまるので、2023年7月10日に1,216円で購入しました。
配当は2020年以降、48円から54円へと安定的に推移しています。
一般的に、財務が健全な企業であれば株価が下がって配当利回りが高くなるにつれて株価は下がりにくくなる傾向があると思います。
また、カルタホールディングスの「デジコ」というデジタルギフト券の優待が魅力的だったので購入しました。
配当と優待を合わせた総合利回り6%の数値は、株価を下支えする点でカルタホールディングスの強みだと思います。
優待対象の最低単元100株の購入であれば10万円弱で購入できるので初心者の方もトライできる銘柄かと思います。
PER指標が300倍以上と割高に見えるかもしれませんが、本社移転や構造改革費用を計上する一過性の利益減少が要因のようです。
PBR指標は1.13倍とほぼ同社の解散価値と同じくらいです。
【 目 次 】
カルタホールディングス(3688)とは
わたしたちが聞きなれている百人一首のような遊びに「カルタ」がありますが「紙札」という意味に由来するそうです。
そのカルタと同じ綴りですが、同社の由来は少し違った意味から来ているそうです。
ラテン語のCARTAの「紙」、転じてポルトガル語の「海図」につながるそうです。
また、イングランド王国立憲主義を出発点とし、民主主義の礎となった「マグナ・カルタ(大憲章)」に由来するそうです。
その意味から「これまでの常識に捉われず、自ら新たな航路を切り拓き、新しい海図を描いていく。その海図が、デファクトスタンダードとなり、デジタル情報社会の健全な発展を、様々なステークホルダーと共に創りあげていく。」という思いが込められているそうです。
会社の沿革は、2019年に㈱サイバー・コミュニケーションズと㈱VOYAGE GROUPが経営統合して発足した企業です。
インターネット広告事業を中心としており、その他もインターネット事業を幅広く展開しているようです。
ただ、様々な事業を手掛けて上手くいっていない事業(ゲームなど)もあるようです。
また、2社経営統合後の構造改革にも課題を残しているようです。
なお、カルタホールディングスの大株主は電通グループ(4324)です。
電通グループが同社の株式53.4%を保有しています。
メディア業界で圧倒的な存在感のある電通グループが大株主というのは強みの一つだと思います。
カルタホールディングス(3688)の株価(年初来安値を更新)
冒頭にも述べたとおり利回りと株価の関係において株価の下値は限定的と考えています。
しかし、なぜ下げ続けているのかという要因は少し気になりました。
売上も少しずつ増えていて業績は極端に傾いているとは思えません。
そこで、その他のインタネット広告会社で上場企業のチャートをざっと見ると下向きが多いように見受けられました。
おそらく、業界として成長期を終えて成熟期に移行したかからではないかと個人的に思いました。
(先に述べた構造改革問題や、インフレによる消費の落ち込みによる広告減少なども影響があるかもしれません。)
今後の長期的な展望としてはおおむね横ばい的なチャートを描きそうな予感がしています。
もし、現在の配当54円で利回り6%になる株価900円に近づく機会が来たら、買い増しする予定です。
(中間配当の6月権利が過ぎたばかりですので、しばらく下がるかもしれません。)
つぎに、同社の2019年以降4年の業績ですが「1株あたりの利益(EPS)」換算にして概ね100円前後です。
つまり、1株あたりの利益(EPS)100円前後を稼ぎ出し、そのうち1株あたり配当54円を出している感じです。
今後の業績は維持または徐々に成長すると仮定すると、減配することなく配当は維持されるだろうと見ています。
加えて、同社の決算説明資料に「DOE 5%を目安に長期的かつ継続的な還元拡充を行う方針」とあります。
DOE(株主資本配当率)とは株主資本に対しての配当割合です。
1株あたりの利益(EPS)に占める配当割合「配当性向〇〇%」と定める企業と比べて、DOEを採用している点で安定した配当を重視していると思います。
さらに、カルタホールディングスの有利子負債は0円で、利益剰余金が107億ほどあります。
万が一、毎年の利益0円が5年続いても利益剰余金から配当の支払いは出来ると思います。
しばらくは様々に手掛けている事業の構造改革の進捗などを見ながら保有したいと思います。
カルタホールディングス(3688)の株主優待「デジコ」(6月・12月)
カルタホールディングスの株主優待は、100株以上保有することで「デジコ」というデジタルギフト券がもらえます。
カルタホールディングスの連結子会社(株)DIGITALIOが提供するデジタルギフトです。
6月と12月の権利で1,000円ずつ、年間2,000円です。
さらに、継続保有3年以上になると1,500円が年2回、年間3,000円になります。
3年以上になるとトータル利回り6.8%です。
優待のデジコは「デジコ」で、PayPayボーナスやAmazonギフト券、Apple Gift Card、Google Play ギフトコードに交換できます。
また「PeX」を経由してPeXポイントギフトに交換すると、先のデジコより幅広く、T ポイント、 LINE ポイント、JALマイルなどの6000種以上の交換が可能となります。(現金交換も可能です。)
その他、なぜかデジコはオークションなどで割高に取引されています。
まとめ
カルタホールディングス(3688)は業績も財務も安定的で、DOEを基準に配当還元も積極的に行う方針の企業でした。
業績がそれほど悪くないのに年初来安値を更新している今はチャンスだと個人的に思いました。
今はとりあえず買って、さらに下がるようでしたら買い増して様子を見たいと思います。
ご参考になれば幸いです。