電動歯ブラシを選ぶ時に甲乙つけがたいと感じるのが、パナソニックのドルツとフィリップスのソニッケアーです。
電動歯ブラシの性能などを調べたら、この2つまでは絞りこめると思います。
しかし、どっちを選ぶかとなると使った経験がないと分からないくらい微妙です。
結論から、ソニッケアーとドルツを長く使って来た私はドルツをおすすめします。
参考
2021年7月に撮影したドルツ(叩き磨きのある機種)とソニッケアーの写真です。この写真くらいのサイズ差があります。(国産のドルツの方が日本人に合ったサイズでコンパクトで持ちやすく携帯時もかさばりません。)
ちなみに、ブラウンのオーラルBが気になる方がおられるかもしれません。
オーラルBを取り上げない主な理由は、歯ブラシのヘッドが回転式だからです。
回転式はドルツも2001年まで採用していましたが歯周ポケットに磨き残しが出やすい欠点があります。
その他、後述しますが、ソニッケアーと同じく電池交換がしにくいデメリットなどもあります。
さて、本題のソニッケアーとドルツの2強の比較でドルツを選ぶ理由は次のとおりです。
ドルツをおすすめする理由
- ソニッケアーとドルツの歯をつるつるに磨き上げる能力を比較しても大差がなくなった。
- ソニッケアーは2年サイクルで故障するか、充電池が弱くなり使えなくなる。
- ドルツの交換用の歯ブラシのコストは圧倒的に安い。
- ドルツは簡単にバッテリー電池を交換できて長持ちする。
- ドルツはソニッケアーにない「IPX7基準」の防水仕様で故障しにくい。
目次の「3.ドルツ(Panasonic)の電動歯ブラシでおすすめの機種」では、ドルツを安く購入する方法も紹介しています。
また、記事の最後でドルツの各機種を「一覧表」で比較できますのでご参考ください。
くわしく知りたい方はこのまま読み進めてください。
【 目 次 】
ドルツ(Panasonic)とソニッケアー(Philips)の使い心地と製品寿命の比較
ドルツとソニッケアーのどちらが短い時間で歯をつるつるに磨けるかといわれると、昔はソニッケアー方が優勢でした。
しかし、2016年以降のパナソニックのドルツを使った実感として、性能が向上していてソニッケアーと比較しても大差がなくなりました。
2020年10月以降発売のドルツのハイグレード以上の機種(叩き磨きあり)ならソニッケアーを上回ると思います。
加えて、ソニッケアーは使っていくうちにバッテリーのパワーが落ちる問題があります。
1年経過後に比較するとドルツのスタンダードグレード以下の機種でもソニッケアーを上回ると思います。
さらにソニッケアーには製品寿命の問題があります。
私が経験した事例を紹介します
最初にソニッケアーを手にしたのは2007年頃だったと記憶しています。
その頃に使っていた国産製品のものと比べものにならないくらい「歯がつるつる」になりました。
「これはすごい!」と感動したものです。
しかし、1年を経過したころから少しずつ振動のパワーが落ちてきました。
毎日使っているうちに少しずつパワーが落ちるので、意外とパワーが落ちていることに気が付きません。
そして、2年を迎えるころには充電をしてもすぐに電池が切れて使えなくなりました。
電池交換が出来ないので仕方なく買い替えましたが、買い替えたものも2年程で同じように故障しました。
それでも国産製品の2倍くらいの性能差を感じていましたので、3回目もソニッケアーを購入しました。
2011年に購入したのはソニッケアー Flex Care+というシリーズ、これも2年で故障しました。
「ソニッケアー Flex Care+(アマゾン公式サイト)」のレビューを見ても歯を磨く能力に良い評価がある一方で、すぐに壊れやすい悪い評価が目立ちます。
私も「2年でまた故障!」という憤りのようなものを感じました。
それでも再度ソニッケアーで買い替えることに決めたのですが、一つ気が付いたことがありました。
ソニッケアー Flex Care+には振動モードが多数ありましたが、使うモードは通常モードで十分ということです。
4回目に購入したのは、余計な振動モードがない1万円以下で購入できるソニッケアー イージークリーンです。
しかし、この製品も1年5か月で故障しました。
先程と同様、ソニッケアー イージークリーン(アマゾン公式サイト)のレビューも故障しやすいというコメントが見受けられます。
これだけ故障が続いても「偶然に外れくじを連続で引いたのでは」と5回目もソニッケアー イージークリーンを購入しました。
しかし、買い替えたものも1年5か月で使えなくなりました。
さすがに「リピート購入はできない。」と思いました。
偶然の当たり外れではなくソニッケアーは故障しやすい製品だと思います。
「故障しやすい。」というレビューの信憑性(しんぴょうせい)を疑うコメントもありますが本当です。
最初の2回は店頭購入で履歴がありませんがAmazonの購入履歴に残っているデータがあります。
次のとおり購入日付を見ていただくと、故障しては何度も買い替えていることをご理解いただけると思います。
ソニッケアー(Philips)とドルツ(Panasonic)を比較してドルツにした理由
10年ほどソニッケアーと付き合ってきた私ですが、5回も定期的に故障した経験から国産品を再検討することにしました。
ソニッケアーが群を抜いていたころから10年が経過し、国産製品のスペックも格段に向上しているように思えました。
中でもパナソニックのドルツの評価が良いと判断して購入することにしました。
今、私が使っているシリーズは生産終了になっているドルツ EW-DE24です。
ブラシのストローク回数は最新の2022年9月のモデルと同等で「約31,000ストローク/分」です。
2024年9月モデルの「スタンダード」相当の製品です。
1年以上の性能の安定を確認して2本目も購入しました。
今では自宅の1階と2階に設置して、こまめに歯を磨いています。
写真が利用中のドルツEW-DE24(2本)です。
2019年から4年以上が経過した今も購入時の性能を保っています。
ソニッケアー(Philips)とドルツ(Panasonic)の性能の比較
具体的なドルツ EW-DE24を使った感想です。
2000年代のソニッケアーの性能は他の電動歯ブラシと比べて群を抜いた「凄さ」がありました。
ソニッケアーの1分間あたりのブラシの振動数は約31,000回/分で振動の強さもありました。
一方、ドルツも同じ31,000回/分のストローク回数でしたが、古いタイプのドルツは振動の強さが不足していました。
優しく磨く感じが好きな方には良いかもしれませんが、歯をつるつるに磨けた感じがソニッケアーより今ひとつでした。
しかし、近年のドルツは振動の強さも改良されています。
結論として2016年発売以降のドルツ EW-DE24を使ってみた結果、磨く能力はソニッケアーと同等です。
「歯をつるつる磨く性能」は確かなものでした。
さらに2020年10月モデル以降のドルツの「ハイグレード以上」の機種は「横磨きストローク回数(31,000回/分)」に「叩き磨きストローク回数(12,000回/分)」が加わりました。
「叩き磨き」が追加されたハイグレード以上の機種のストローク回数は合計で43,000回/分です。
歯医者さんもすすめるドルツの「ヨコ磨き」に「叩き磨き」が加わった結果、ストローク回数でもソニッケアーを上回りました。
ハイグレード以上のモデルを選べば間違いはないでしょう。
ソニッケアー(Philips)とドルツ(Panasonic)の製品寿命の比較
今のドルツを使い始めて4年以上が経過しますがソニッケアーのように少しずつパワーが落ちるようなことはありません。
バッテリー電池の寿命は、ドルツ愛用者の口コミでは5年から8年です。
さすがに8年くらい経過すると充電しても10分も使えなくなるようです。
バッテリー電池は3年から5年程度を目安に交換すると良いと思います。
ただし、電池交換はソニッケアーとドルツともに推奨されていません。
自己責任で電池交換を行うことになります。
まず、ソニッケアーの電池交換ですが不可能ではありませんが面倒です。
理由は「はんだ付け」という作業が必要になる点と「はんだ付け」の道具をそろえる費用が必要です。
しかも、バッテリー電池も海外から取り寄せる必要があります。
これらの作業が出来る人は少数ではないでしょうか。
これに対して、ドルツのバッテリー電池はAmazonや楽天で600円~1,000円程度で購入できます。
しかも、ドルツはドライバーだけで簡単にバッテリー電池を交換できます。(お手軽モデル・スリムモデルを除く。)
ドルツの電動歯ブラシの電池交換の手順を詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
ドルツ【電池交換一覧表】費用と交換手順|パナソニック電動歯ブラシ
この記事では、パナソニック製のドルツ(doltz)の電動歯ブラシの電池交換の手順と費用について紹介しています。 ドルツの電池交換はドライバー(プラス・マイナス)で、簡単に交換できます。 バッテリー電池 ...
続きを見る
ソニッケアー(Philips)とドルツ(Panasonic)の「替えブラシ」の比較
ソニッケアーの替えブラシ(正規品)の価格は、ドルツの替えブラシ(正規品)の約6倍と割高です。
そこで、ソニッケアーの替えブラシでも正規品でない互換品を選ぶとドルツと同じくらいの価格になります。
しかし、互換品の替えブラシを使用するとソニッケアー本体の2年保証が適用されなくなる問題があります。
また、ソニッケアーの替えブラシの種類は互換品を含めてもドルツより少ないです。
一方のドルツは、歯間をフロス代わりに磨けるピンポイントブラシなど、その種類が豊富です。
歯並びの悪い人や矯正(きょうせい)器具を付けている人も使えます。
さらに、ソニッケアーの替えブラシは毛先が開きやすく交換コストがかかります。
およそ3か月でソニッケアーの替えブラシは交換せざるを得ませんでした。
ソニッケアーは消耗品でもコストがかかる仕組みになっています。
まとめると、替えブラシの価格と種類、品質、アフターサービス面でパナソニックのドルツの方が良心的です。
なお、ドルツの替えブラシに関心のある方は次の記事をご参考ください。
パナソニック ドルツ 替えブラシのおすすめ【種類別互換品】
パナソニックのドルツの電動歯ブラシの替えブラシのおすすめは何だろう。 使用中のドルツの機種の替えブラシの互換品はどれだろう。 この記事は、このような疑問に対してお答えしています。 ドルツ ...
続きを見る
ドルツ(Panasonic)は「IPX7基準」の防水仕様で長持ち
ソニッケアーの説明書に「製品は水に浸けないでください」とあります。
ソニッケアーはの防水性能は生活防水レベルです。
ブラシの先端を軽く水荒いをして本体は布で拭き取ることが推奨されています。
これに対して、ドルツは「IPX7基準」の防水基準クリアしています。
ドルツの製品の防水基準は「水深1mの水中に30分間浸けても製品に有害な影響がない」という概要です。
(40度以上のお湯の使用は避けるよう説明がありますのでご注意ください)
製品本体を水洗いできる防水性能は電動歯ブラシの中でドルツだけです。
それゆえ、ドルツは製品本体を清潔に保てて長く使えることが期待できます。
ドルツ(Panasonic)の電動歯ブラシでおすすめの機種
パナソニックのホームページでは、ドルツの最新機種を確認できます。
2023年9月発売のシリーズでは4つのグレードがあります。(お手軽モデルを除く。)
主な特徴はハイグレード以上を基準に大別できます。
ハイグレード以上は「W音波振動」の機能があります。
「W音波振動」とは「横磨きストローク回数(31,000回/分)」に「叩き磨きストローク回数(12,000回/分)」が加わります。
ストローク回数は「横磨き」と「叩き磨き」を合わせて43,000回/分です。
「叩き磨き」の加わるハイグレード以上の機種を選んでおくとまず間違いありません。
● 最上位モデル(W音波振動)
● ハイグレードモデル(W音波振動)
また、ハイグレード以上のモデルのもう一つの良い点は、充電器に電動歯ブラシを置いた時に充電器との接触面がない点です。
電動歯ブラシは拭いた後に充電器に置いたつもりでも接触面のあるタイプでは水滴が付着して不衛生になりがちです。
実際に電動歯ブラシと充電器の間に空間が出来るモデルを使ってからは、不衛生な状況になることはなくなりました。
ハイグレードよりグレードを下げても安い方が良い場合は「スタンダードモデル」になります。
主な機能の違いは、歯ブラシの動く回数(ストローク回数)ですが、横磨きストローク回数(31,000回/分)は同じです。
ただし、叩き磨き(12,000回/分)の性能がなくなります。
私の使っている古いモデルも「ストローク回数(31,000回/分)」のみで、叩き磨き(12,000回/分)はありません。
それでも、じゅうぶん歯がつるつるになりますので過度に心配する必要はないと思います。
● スタンダードモデル(ヨコ磨き)
*下写真のとおりスタンダードタイプのみ機種底面のフタを開いてUSBを抜き差しして充電します。充電台が不要のため旅行などの持ち運びに便利な一方で、充電台に置くだけのタイプより家使いの充電がわずかに手間かもしれません。(1日2分ずつ2回使用しても22日ほど使用できますので、頻繁に充電する必要ありません)
(パナソニックホームページの写真)
最下位の「エントリーモデル」は「ストローク回数(31,000回/分)」でスタンダードモデルと同じですが、2024年から「ヨコ磨き」がなくなり「音波振動」のみになっています。
わたしは以前にドルツの旧モデル(音波振動)を使っていましたが「ヨコ磨き」のような磨けた感じはなかったと思います。
●エントリーモデル(音波振動)
まとめると要は、予算に合わせて「横磨きストローク回数(31,000回/分)」に加えて「叩き磨きストローク回数(12,000回/分)」の機能を追加するか否かを中心に検討されると良いと思います。
言いかえると、ハイグレード以上の機種とスタンダード以上の機種で大別できると思います。
その他の違いは、ケースの付属の有無、振動モードの切り替えが多い等の細かい部分です。
(振動モードは多くても結局使わないことが多いです。)
なお、ドルツを安く購入する方法として「型落ちモデル」選ぶと良い場合があります。
(販売時期によって前モデルが逆に高くなる場合がありますのでご注意ください)
まとめ (ドルツの使い方と選び方 | パナソニック電動歯ブラシ)
最後に、ドルツの電動歯ブラシの使い方について少し触れておきます。
はじめて電動歯ブラシを使われる方は最初の約2週間は頭に振動が伝わる違和感を感じるかもしれません。
この違和感は2週間くらい使っているうちになくなります。
磨き方のコツですが、電動歯ブラシを歯に当てる時は「力を入れすぎずない。」ことです。
「磨きたいところに軽い力でうまく当てる。」イメージです。
また、手磨きで歯ブラシをするように電動歯ブラシを手を揺らしてゴシゴシすると逆効果です。
電動歯ブラシ自体が細かく振動しますので、鏡を見ながら磨きたい所で停止させてゆっくり移動させていく方が美しく磨けます。
(詳細は「電動歯ブラシの紹介記事」内でも電動歯ブラシの使い方を説明しています)
一度、電動歯ブラシで「歯がつるつる」になる感覚を経験すると、手で歯を磨く方法に戻ることは出来ないくらい便利です。
手放せないくらい長く使う電動歯ブラシは「性能」も「コスパ」も良いドルツをおすすめします。
ドルツの電動歯ブラシを公式サイトで見みる。
「横磨きストローク回数(31,000回/分)」に「叩き磨きストローク回数(12,000回/分)」が加わり、かつ価格もお手頃なハイグレード以上の機種がおすすめです。
スタンダードモデルは「横磨きストローク回数(31,000回/分)」はありますが「叩き磨きストローク回数(12,000回/分)」はありません。
エントリーモデルは「音波振動(31,000回/分)のみになります。(2024年モデル以降)
枠内の機種記号の下のAmazonまたは楽天の公式サイトリンクから詳細をご確認いただけます。
(2024年10月9日現在)
最新モデル New | 旧モデル
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トップグレード 携帯ケース・ブラシスタンド付 | EW DT73 | EW DT72 |
トップグレード | EW DT63 | |
ハイグレード (上位) ブラシスタンド付 | EW DP57 | EW DP56 |
ハイグレード (下位) | EW DP37 | EW DP36 |
スタンダード(上位) ブラシスタンド・携帯ケース付(USB直挿し) | EW DA48 | EW DA57 |
スタンダード(下位) (USB直挿し) | EW DA18 | EW DA37 |
エントリー | EW DM74 | EW DL39 |
*詳細は、パナソニックのホームページでもご確認いただけます。
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