黒田グループ(287A)は、電子部品等を扱う商社部門と、HDD部品・自動車部品・自動化装置等を扱う製造部門の2つの事業が柱です。
黒田グループ(287A)は、投資会社のMBKパートナーズによるTOBによる上場廃止後の再上場銘柄です。
2018年3月16日に上場廃止になる前は東証1部に黒田電気(7517)で上場していました。
その後、2024年12月17日に東証スタンダード市場に再上場しました。
イグジットIPOで、ケイエムツー・エルピーが上場時に46,568,020株のほぼ全てを保有していました。
ケイエムツー・エルピ―は、黒田電気をTOBしたMBKパートナーズの会社です。
買収企業を構造改革後に再上場して株式を売り出すという形です。
2025年1月10日の時点ではケイエムツー・エルピ―の保有割合は28,479,580株(61.16%)まで減少しています。
残りの全ての株も売りつくす可能性が高いと思われます。
また、2027年7月以降には権利行使が可能になる「ストック・オプション」(発行価格663円)として1,273,500株分が控えています。
このストックオプションも2027年7月以降に株価の下げ圧力になると思われます。
その他、黒田電気で上場していた時の負債は10億円程度でしたが、再上場時は300億円程です。
「構造改革」という名のもと資本効率の観点からか多くの負債も背負わされたようです。
売上はスリム化なのか上場廃止前の半分近くになっています。
これらの内容が株価に対するリスクと判断されているのか配当利回りは6%を超えていても株価はさえません。
また、MBKパートナーズがTOBにかけた費用と、再上場するまでと再上場後の利益を考えると、今の株価で損益は微妙なラインのような気もします。
(MBKパートナーズの黒田電気の買収費用は1,000億円程度と言われています)
ただの憶測ですが、投資資金を回収するために株価を上げる施策を継続するのでは思います。
いずれにしても、個人的には利回り銘柄と割り切って多少は保有しても良いかなと思いました。
【 目 次 】
黒田グループ(287A)の配当
黒田グループ(287A)のキャッシュアロケーション「3ヵ年計画(2028年3月期まで)」の方針は次のとおりです。
財務規律(自己資本比率 40%)を維持しながら、成長投資、借入金返済、株主還元へ適切に充当する。
〇既存事業への成長投資は継続的に実施
〇借入金の圧縮を進め、次の柱となる新規事業を組み入れ可能な調達余力を堅持
〇3ヵ年計画期間(2028年3月期まで)における株主還元方針の継続
〇 DOEを採用し、目標水準を7%とする。また、累進配当を「数年間」は想定する。
〇手元現預金水準は月商1ヵ月程度を基本とし、将来の資金ニーズも勘案し、余剰となる部分は株主還元へ機動的に充当
この内容から、少なくとも2028年3月期まで配当利回りは高く維持されるとともに株価もある程度は安定すると思われます。
この数年間を利用してケイエムツー・エルピ―は保有株式を売り切るという設計なのかもしれません。
2025年3月期の年間配当は60円で、2025年4月4日終値852円で計算すると、配当利回りは7.0%になります。
まとめ
黒田グループ(287A)は再上場銘柄でどことなく怪しい雰囲気も感じます。
しかし、2028年3月期までの配当方針を見る限り現状の利回りは魅力的にも見えます。
わたしは日経平均が急落中に880円で100株だけ購入しました。
現在、トランプ大統領の世界全体に対する相互関税の影響で暴落の序章ともいえる急落です。
しばらくは静観して暴落した場合は買い増ししたいと思います。
その後、2028年3月期までの業績を見ながら売却するか利回り銘柄として保有し続けるかを検討したいと思います。