フジオーゼックス(7299)は、主に内燃エンジンの部品「エンジンバルブ」を製造している企業です。
エンジンバルブとは、上記イラストの左にある棒状のものです。(空気や混合気などの吸気口および排気口の開閉を担う弁)
エンジンバルブのシェアは同社資料によると、世界(8%)・国内(40%)ということです。
また、独立系で取引先メーカーに偏りはないようです。
内燃機関の部品を扱う同社のネガティブ要素としては、EV化によって内燃機関むけの主力製品の売上が減少する可能性が考えられます。
この点は同社も意識していてホームページにある中期経営計画などを見ると、海外シェア拡大やM&A、新規事業などに取り組んでいるようです。
新規事業は、同社の技術を生かした3Dプリンタ関連から半導体関連、介護施設運営、プチトマトの生産(苦笑)まであります。
このように先行きに不透明さを感じる反面、キャッシュリッチ企業であり大同特殊鋼(5471)が大株主という側面もあります。
その他、2024年以降のIR資料を見ると「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」にも取り組んでいます。
DOE採用、株主優待新設(拡充検討)、株式分割、自社株買いなどです。
詳細は同社のホームページにある最新の統合報告書等を見ると概要がわかるかと思います。
【 目 次 】
フジオーゼックス(7299)の配当
フジオーゼックス(7299)の配当は2024年3月28日IR「中期経営計画」で新たに「DOE1.7%」が目安とされました。
これにより2024年3月期の1株配当は年間50円と前期からほぼ倍増となりました。
キャッシュリッチ企業ですので1株あたり50円程度を目安として当面は配当を継続できるのではと思います。
1株50円を想定すると配当利回りは2024年12月23日終値1,070円に対して4.7%になります。
フジオーゼックス(7299)の株主優待
フジオーゼックス(7299)の株主優待はVISAのギフト券で現金と同じようなものです。
株主優待は2024年1月30日IRで株式分割(5分割)と同時に発表、新設されました。
株主優待には継続保有の条件があり、3月権利獲得から1年以上が必要です。
(2024年12月23日現在)
保有株式数 | 継続保有期間 | 優待内容(VJAギフトカード) |
100株以上 | 1年以上 | 2,000円(優待利回り1.9%) |
300株以上 | 4,000円(優待利回り1.2%) | |
500株以上 | 6,000円(優待利回り1.1%) | |
1,000株以上 | 10,000円(優待利回り0.9%) |
(注1)優待利回り(四捨五入)は12月23日の終値1,070円で計算しています。
(注2)優待利回りは各優待獲得条件の下限の保有株数(100株、300株、500株、1,000株)で計算しています。
株主優待が継続するかも気になりましたので優待コストを調べてみました。
直近の発行済株式数(自己株除く)10,212,554株のうち、個人株主の割合は約24%くらいでした。
個人株主が保有する2,450,000株の全てを100株単位と想定しても株主優待コストは年間5,000万円ほどです。
同社の中期経営計画では株主還元に20億円を想定していて1株配当50円を支払って約15億円が余ります。
約15億は自社株買いや株主優待などに使うようですから5000万円程度のコストでは未だ余裕があると思いました。
中期経営計画にある株主優待の拡充検討も現実味があるのかもしれません。
フジオーゼックス(7299)の株価
2024年1月30日IR(第3四半期の決算発表・株式分割・株主優待新設含)発表時の株価は1,288円でした。
IR発表翌日から株価は上昇して最高値は1,722円までつけました。
2024年12月23日の終値は、最高値から下がる一方で株価対策前の1,288円よりさらに下の1,070円です。
DOE1.7%目安の1株配当50円の利回りは4.7%です。
100株の株主優待の利回り1.9%と合わせると、2026年3月(1年以上継続)以降は総合利回り6.5%を超える見込みになります。
100株なら株価と利回りの関係から見て買っても良い水準ではと思いました。
さて、株価の下げている要因ですが主に自動車業界と連動するような業績にあるように思われます。
2025年3月期業績は為替差損やメキシコ投資による繰延税金資産の評価損というイレギュラー要因に加えて、自動車関連によるものなどの若干の売上や営業利益の下方修正がなされています。
ただ、業績悪化が理由で通期の1株利益がDOE1.7%を目安とする1株配当50円程度を上回らないと仮定しても、個人的には財務面から見て1株配当50円は守られるのではと思っています。
そういった理由で、総合利回りの高い株として、まず100株を保有することにしました。
もし、株価900円を下回るようなら200株を買い増して300株の株主優待対象になるくらいまでは買い増しも検討すると思います。
まとめ
フジオーゼックス(7299)は、配当と株主優待の総合利回りが高くキャッシュリッチ企業という視点で高利回り株として購入しました。
キャピタルゲインは期待してませんが、株価対策時の株価より下落して株価1,070円で100株保有の総合利回り6.5%以上なら保有しても良いと思いました。